2014年以来2年に1度開催されている高速道路を走れる自転車イベント、「サイクリングしまなみ2020」(瀬戸内しまなみ海道・国際サイクリング大会)が、2020年10月25日に開催することが決定された。
せっかくなので、申し込み予定者や、しまなみ海道へ自転車輪行を考えている人のために、東京からしまなみ海道への輪行経験6度、国際サイクリングの申し込み2度(抽選で落選と優先出走権確保)の経験を踏まえ、宿泊、往復、イベント申し込みなどでの注意点をまとめてみた。
結論
いきなり結論を言うと、以下の3点を押さえておけば大丈夫。(「サイクリングしまなみ」以外の場合もホテルと自転車輸送手段は考慮が必要)
・尾道スタートでも今治スタートでも、ホテルはすぐに取る。
・復路の自転車の輸送手段は、尾道から帰る場合は自転車用の宅配を使う。
・「サイクリングしまなみ」の最長距離(140Km)は優先出走権を狙うべき。申し込みは開始時刻前にスタンバイして、3分以内に完了が目安。
詳細
結論だけだと理由や代替手段がわからないため、実際の状況を含めて説明していきたいと思う。
前日の宿泊予約
尾道と今治それぞれの宿泊事情について。イベント以外の場合は、時間的な問題がだいぶ緩和される。
今治スタートの場合
「サイクリングしまなみ」ではほとんどの場合、今治スタートになる。そのため、今治か松山にホテルを取ることが多くなる。
今治の宿泊施設は非常に少ないため、今治泊を考えるのであれば1年前に予約するくらいの事は必要だと思う。最も観光地としての魅力も考えると松山泊の方が魅力的なので、早起き可能(朝5時ころ)なら松山泊で前日(場合によっては当日も)は道後温泉でゆっくりするのがオススメ。
松山泊にする場合でも、松山からのシャトルバスの乗車場所(愛媛県庁、湯築城前、奥道後)やサイクルトレインが出る松山駅までの徒歩圏のホテルがすぐに一杯になり、空いていても価格が高騰するので早急にホテルを押さえる必要がある。
尾道スタートの場合
普段は大抵がこちらになると思われる。また、「サイクリングしまなみ」でも、一部の人はこちらになる。
この尾道は観光地ではあるが宿が少ない。普段でも直前では宿が取れないことがあり、宿泊予約に出遅れると福山泊しか選択肢がなくなる。
福山泊となると、福山から尾道へ向かうために早朝に起きて、到着後に自転車を組み立てる作業が発生するし、そもそも福山より尾道の方が楽しい。
尾道に宿泊しようと思うなら、速やかに宿の予約をしておく必要がある。(申し込み開始時くらいでOKか?)
イベント申し込み
サイクリングしまなみ2020の募集は、2020年の4〜5月の予定とのこと。抽選と優先出走で状況が違うことに注意する必要がある。
抽選
申し込み期間内に申し込んでおくこと。注意点はそれくらい。
ただし、本気な人(特に140kmコースなどの、高速道路を最大限走るコース)は優先出走権の確保に失敗した時の代替手段と考えた方が良いと思う。(2016年の第2回大会では抽選に挑んではずれた)
優先出走権
特に最長の140kmコースは競争が激しいので、絶対参加したい(高速道路走りたい)人はお金を積んで優先出走権を手に入れるべき。
2018年の第3回大会では、自分は優先出走権の申し込みができたが、時間は開始3分くらい。イベント当日に途中であった参加者の話では、申込みに出遅れて5分過ぎた段階では締め切られていたということだったので、通信環境の良いところで事前スタンバイが鉄則だと思う。
それでも第1回大会では秒殺だったようなので若干余裕はでき、良い方に考えれば、事前にスタンバっておけば申し込める状態ではある。
なお、優先出走権についてくる品々は、基本は事前に自宅に宅配されてくるので、荷物の心配は不要。(Tシャツとか通常の参加賞がいくつかあるので、帰りの荷物が若干増える事は確か)
東京からの交通手段、輸送手段
移動手段というよりは自転車の輸送手段が課題になってくると思う。「サイクリングしまなみ」ではイベント専用に自宅とイベント会場との間で自転車の宅配をしてくれるサービスが提供されることがあるので、前後に旅程を組む人以外は自転車は別送するのが良い選択肢かと思う。それ以外の場合は輪行を考慮して移動手段を考える必要がある。
今治スタートの場合
東京方面からは交通の便が悪く、普段はあまり利用する事はないと思うが、イベントなどで今治発着しないといけない場合は利用せざるを得ない。
この場合、松山空港を利用した飛行機一択と思われる。松山空港から松山駅の距離は6km程度のため、自転車で往復で問題ない。輪行バッグのOS-500とショルダーバックとかくらいなら担いで行ってもなんとかなる。それ以上の大荷物があるなら宅配するのがベスト。
ちなみに松山空港には空港の出口側にサイクルラックがあるが、空気入れはロードバイク用ではないようなので、使うなら変換プラグの用意が必要っぽい。
LCCを使った場合は成田空港ー自宅間の鉄道の混雑がネックになる。もっとも、この区間の路線は他にも巨大なスーツケースを持ち込む人が多いため、他の路線より気分的に楽だと思う。
羽田空港の場合はリムジンバスが自転車積み込みOKなので、復路はリムジンバスで自宅最寄りまで向かい、その後は自走するなどの選択肢がある。(往路は混雑時間帯を避ける)
なお、東京から鉄道で行こうと思うと、サンライズ瀬戸で高松まで行き、予讃線で今治へ向かう選択肢もあるが、今治に着く頃には昼過ぎになってしまうのでお勧めできない。
尾道スタートの場合
選択肢は以下の3つかと思う。
新幹線ルート
新幹線は座席の問題よりも、自転車を置いておく場所の確保が難しい自転車の置き場所確保に問題が生じる。
現在のところ、往路は東京駅に早めに到着して列の先頭付近に並べれば、自転車の置き場所確保は問題ない状況。ただし週末やイベント時の夕方の復路はかなり混むため、時間をずらしたりすることも必要。新大阪まで耐えて新大阪発に乗り換える選択肢もあるが、新大阪までも結構距離があるため、かなり厳しいと思われる。
2020年の5月から、東海道山陽新幹線では自転車を積み込むのに事前予約が必要になる。当日でも有料(1,000円)で可能とはなっているが、復路は荷物置き場が予約でいっぱいになっていることも考えられる。事前予約必須の上で、希望の時間帯に予約できず遅い電車に乗る必要が出ることも考えた方が良さそう。
遅い時間に帰る場合、福山、倉敷、岡山などはマックとかで時間潰すくらいになる。尾道も夜8時にはほとんどの店が閉まってしまうが、駅から2.5km(坂がきついが)のところに「尾道平原温泉ぽっぽの湯」という温浴施設があるため、汗を流すついでにそこで時間を潰すことができる。
飛行機ルート
尾道くらいからだと新幹線の方が早いが、飛行機利用の場合自転車を積み込めないリスクがあまりない。羽田空港からのリムジンバスは大体自転車が積み込めるので、自転車輪行という点では利便性は高いと思う。
ただ、尾道から空港までの交通手段に難があり、あまりお勧めはできない。
サンライズ出雲・瀬戸ルート
夜行可能であればサンライズ出雲または瀬戸の選択肢もある。
ただし、時間的な問題に加え、寝台列車は結構電車の音がうるさく、揺れも大きいの寝れない可能性がある。
また、乗車1ヶ月前の朝10時に緑の窓口で直接予約に行く必要がある。サンライズ瀬戸の場合は岡山、サンライズ出雲は岡山の先の倉敷まで行くが、サンライズ出雲の方が競争が激しいため、岡山乗り換えにした方が座席は取りやすい。
なお、通路上には自転車を置いておくスペースがないため、自転車を収納できる寝台を選ぶ必要があり、ノビノビ座席はもちろんソロの2階も収納できないので、他の部屋を予約する必要がある(ソロの1階は出入りの問題はあるもののほとんどのサイズのロードバイクは収納が可能)。
発車時刻が夜のため、復路は乗車時間までの待ち時間が長い。前述した尾道の「尾道平原温泉ぽっぽの湯」辺りが、電車待ちには一番適していると思われる。
イベント会場までの交通手段と輸送手段
尾道泊で尾道スタート、今治泊で今治スタートであれば、朝起きて自転車に乗って会場に向かうだけなので何も問題ない。
普段は松山ー今治間は鉄道がお勧めで、元気な人は自転車で自走するのもアリ。一応バスもあるが、山道を通るため自転車輪行の問題がなくてもお勧めできない。
「サイクリングしまなみ」では松山ー今治間のサイクルトレインが運行されたが、申し込みはすぐに締め切られてしまった。サイクルトレインを使いたい人は速やかに申し込む必要がある。ただ、サイクルトレインは復路の時間が遅く、ほとんどの人はだいぶ時間を持て余すことになるので、シャトルバスの方が利便性は高い。
シャトルバスも時間帯(復路は時間の選択肢がある)によってはすぐなくなる。申し込み時に時間を決める必要があるので、自分の走力を考えて早めに決断する必要がある。(健脚な人は今治ー松山間などを自走する選択肢もある)
また、自転車は、サイクルトレインでは当日電車内に持ち込むが、シャトルバスの場合は前日の受付時に預けて別途輸送してもらうことになるため、その点に注意する必要がある。(会場に宅配していれば問題ない)