稚内空港~宗谷岬~稚内(1日目)
2015年8月29日。北海道自転車縦断の初日。
稚内空港
まずは、最北の空港、稚内空港へ。
稚内空港は小さな空港で就航便も少ないため、ロードを組み立てている間に空港職員、タクシー含めて誰もいなくなり、空港内の照明も消灯されてしまった。
施錠はされないため、組み立て完了後に輪行バッグなどをコインロッカーに預け、最初の目的地である宗谷岬へ向かう。
宗谷岬へ
稚内空港から宗谷岬へは約23Km。風は強い向い風で結構きつい。
道中は、バイクのツーリングが結構多いが、自転車も結構多く走っている。すれ違いの際に、軽く会釈をしながら宗谷岬へ向かっていく。
空港から10kmほどでセイコーマートを発見。宗谷岬までではここが最後のコンビニ。
宗谷岬に到着。いよいよ北海道縦断のスタート。
振り返るとこんな感じ。すぐ目の前がバス停のため、以前バスで来た時は拍子抜けだったが、空港からここまで自転車で走ってきて、これから北海道を縦断すると思うと気分が違ってくる。
写真左の丘の上に立つのは海軍望楼跡。また、この丘の上にはホタテラーメンで有名な間宮食堂がある。
海軍望楼跡
この望楼は、ロシア帝国の樺太進出に対処するため作られたもので、日露戦争による南樺太割譲で本来の役割を終えたものである様子。
間宮食堂
こちらは間宮食堂。
メニューは普通の食堂でカツ丼とかカレーライスとかがあり、ラーメン屋というわけではない。また、ホタテラーメンも塩と醤油の2種類があるが、当然塩を注文。
正直いうとあまり期待していなかったが、ここまで走ってきて汗をかいていることもあるのか素直に美味しかった。ただ、ちょっとホタテの苦みがあるので、ここで好みがわかれるかも。
稚内へ
宗谷岬~稚内駅は約31Km。往路と違って追い風のため、非常に快適。
帰りに、空港で輪行バッグをコインロッカーから取り出して稚内市街へ。
輪行バッグの「OS-500」は本来の三つ折りのあと、さらに二つ折りにしてショルダーベルトを巻き付け、別のベルトを使用して肩にかける。
稚内郵便局に立ち寄り、輪行バッグをゆうパックの局留で函館中央郵便局に送る。ちなみに、ゆうパックは到着後、1週間以内に引き取る必要があるが、これは局留でも変わらない様子。
稚内駅
そのあと、稚内駅に向かうが駅が見当たらない。よく見ると新しくなっていて商業施設と一体化してしまっていて、鉄道の最北端も少し短くなっている。
ちなみに5年前の稚内駅はこんな感じで最北へ来たという風情があった。
今日の宿泊先であるANAクラウンプラザホテル稚内に到着。自転車置き場はなく、入口横にバイクが置いてあったのでその脇に自転車を止める。
部屋は広く落ち着いた色調で、眺望も良い。
今日の走行距離は60kmいかないが、明日に備えて体を休めるため、稚内副港市場にある港の湯へ向かう。
ここは建物内の雰囲気も落ち着いているし、露天風呂から港の船が見え、汽笛も聞こえる。また、ロシア人船員らしい人も多く、最北の地にきたという雰囲気が味わえる。
最北端の温泉は、市街地から外れたところに童夢という温泉施設だが、雰囲気はこちらのほうがよく出ている。
食事
夜は竹ちゃんという店にお邪魔する。カウンター席もあり、ビジネス目的っぽい人など、1人の客も何人かいる。
稚内の名物といえばミズダコを使ったタコしゃぶ。メニューにはあったがタコしゃぶは注文はせずに、刺身盛り合わせ、八角西京焼き、タコのから揚げ、エゾバフンウニと蟹の握りを注文。
八角はあまり良さが分からなかったが、エゾバフンウニは、軍艦だとウニがあっという間にとろけて海苔だけ残ってしまうという難点があるがウニ好きにはたまらないうまさ。
明日への英気を養ったところでホテルへ戻り、ハードな明日のロングライドに備える。
稚内~留萌(2日目)
2015年8月30日。自転車による北海道縦断2日目。
出発
ANAクラウンプラザホテル稚内は、朝食は6時前からやっていたため、ゆっくり朝食をとり、8時に留萌へ向けて出発する。
最初の目的地はノシャップ岬。海の向こうに見えるのは、これからしばらく旅のお供をする利尻富士。
稚内は少し走ると家も少なく、北海道の雄大な自然を体験できる。
サロベツ原野の湿地帯の向こうに利尻富士が見える。この時点では体力も有り余っており、北海道の素晴らしい景色に感動するばかり。
利尻礼文サロベツ国立公園
利尻礼文サロベツ国立公園に入る。この辺から、ラムサール条約にも登録されているサロベツ原野を突っ切る。
どこまでも続く一本道。
しばらく走っても、ひたすら一本道が続く。
ホテルを出て30kmほど走ったところで、こうほねの家という休憩所に到着。トイレ、自販機もあったため、少し休憩。
この休憩所の目の前が、浜勇知園地というサロベツ原野の代表的スポットの様子。
また、ひたすら水平線まで続く一本道を走り出す。周りには何もないところだが、夏であることもあり、たまに同じように自転車で走っている人たちもいるので、いざという時は助けを求めることもできそうである。
当初は感動していた景色だが、あと何時間か走り続けることを考えると、次第に苦痛になってくる。せめてもの救いは、オロロンラインは海側からの横風が強いため、南下しても逆風とまではならなかったところ。
天塩
手塩に到着。
利尻富士もだいぶ小さくなり、そろそろ見納め。しかし、まだ、本日の行程を3分の1過ぎたところ。
天塩の道の駅で昼食をとる。しじみラーメンとかしじみカレーといった、しじみが売りのようだが、ボリュームのあるものが食べたかったため、普通のカツ丼を食べる。
遠別~小平
13時頃に遠別の道の駅、富士見に到着。90kmほどはしり、ようやく折り返しというところだが、正直体力の限界な気がしてくる。
そんな状態でこの後待っていたのが登っては下るというアップダウンの連続。しかもそれが20kmほど続く。疲労した体への追い打ちをかけるような状況で、写真を撮る余裕もなく、ひたすら無心で自転車をこぎ続ける。
4時間ほど乗り続け、17時になりようやく道の駅、おびら鰊番屋に到着。ただ、店はほとんどが17時閉店で、自販機での水分補給くらいしかできなかった。
この辺も鰊漁が盛んだったらしく、道の駅のすぐ脇には、昔の鰊番屋が残っている。
留萌
18時。日没直前になんとか留萌市街に到着。そしてホテル着が日没5分前。無事走破できたことに感動。
ホテルのシャワーで汗を流したのち、消費したエネルギーを補充すべく、留萌では有名な蛇の目寿司に向かう。が、19時半の時点ですでに閉店している。止むを得ずセイコーマートでカツカレーを購入する。
この日の走行距離は約190km。時間は12時間で、実際の走行時間は約10時間と、ほぼ丸一日自転車に乗り続けた。
留萌~札幌(3日目)
2015年8月31日。自転車による北海道縦断3日目。
前日の宿泊は留萌市内にあるホテルニューホワイトハウスというところ。駐輪場は屋根付きで良かったが、施設は結構古い。まあ、ほとんどホテルがないところなので、やむを得ないところ。
ホテルの朝食は刺身とイクラが売りのようだったが、自分が食べた時は時間が経っているせいか、刺身は水びだしになっていた。早めに起きて朝食をとればよかったようだ。
出発
今日の目的地は札幌。オロロンラインを通る海側のルートはアップダウンが激しくきついらしいので、内陸ルートを通ることにする。
距離は137kmと前日よりだいぶ短い。そのため昨日より遅い9時前にホテルを出発する。(前日の疲労で体がきつかったのもあるが…)
内陸ルートは最初しばらく山を登った後、その後は平坦なルートになる。平地の景色はただの田舎の田んぼ道で、田舎育ちの人間にはなんということのない景色が続く。途中立ち寄るところもなく、見所が全くないなか延々と走り続けることになる。
北竜町~滝川
昼頃に北竜町へ到着。もう少し早い時期だとひまわりが有名な町田が、それ以外の唯一の見どころはこの北竜町の道の駅であるサンフラワー北竜。
何が見どころかというとこの門。そして奥に見えるホテル付きの道の駅。ちょっと痛い感じ。
あとは滝川の手前の石狩川。この辺は気持ちよく走れた。
想定外だったのは向い風。天気予報確認したら、ルートに沿って常に風が向い風になっていた。しかも結構強い。
それ以外にも、道路は大型トラックが多いからか、路肩は結構ボロボロで尻に響くという、ロードバイクで走るには非常にきついコンディションだった。
結局15時過ぎくらいにホテルに着く予定で出発したのが17時にまでずれ込んでしまう。しかも昼食含め、ほとんど休憩取らない状態で8時間と、平均時速20kmに届かない有様。
正直この日の旅程はきつかった。前日の疲労と強い向かい風から体力的にもきつく、昼食を抜かしてガス欠になったうえ、あまり見どころがなく面白くないルートであったことが苦痛に拍車をかけた感じで、写真もほとんど取らずじまいだった。
札幌到着
この日は札幌全日空ホテルへ宿泊。自転車を止められそうなところが見当たらないためホテルで確認すると、ホテルの横に止めることになった。
夕食は駅にある回転ずしの花マルへ行くが大行列。行列に並ぶ気がせず地価をうろうろしていると、回転ずしではない花マルを発見。普通のおまかせ握りにもサンマと花咲蟹軍艦は入っていた。それに追加でサンマと炙り5貫を頼む。
食事後、JRタワーホテル日航札幌のスパへ行く。値段はそこそこするが、ゆっくりできる。さらにマッサージを頼み疲労を回復させ、翌日に備える。